長く続けるためのクライミングのコンディショニング

2020年3月21日 2:07 pm

Category:クライミング/モチベーション/クライミングの知識 /  Write:ワルツ /  Tag: / / / / / / /

怪我持ちだらけのスポーツにようこそ

サッカーやラグビーのようなコンタクトスポーツに比べ怪我は少ないにせよ、クライミングは怪我とは切っても切れないスポーツです。
上級クライマーともなると、大小どこかに怪我を持っているのが当たり前のとんでもない(?)世界なのです。

怪我しないことが上達の近道

どんなスポーツでもそうですが、怪我をすると全力でトライできなくなり、ストレスフルです。
回復まで相当時間がかかる怪我もあり、その間まったくクライミングをお休みとなると上達スピードが著しく低下していまします。

怪我をしててもお構いなしのクライマー

知っておこう!怪我は突然やってくる

後悔先に立たず…何か月も休まなければならない怪我は急にやって来るのです。
筆者は、今までに指の骨折で11ヶ月(手術2回)と度重なる怪我により長期レスト中(2018/3~2020/3の24ヶ月目)です。
どちらも予防出来たことですが、適当なふるまいによりこうなってしまいました。

以下、意識的に取り組んだほうが良い、クライミングのコンディショニングをご紹介します。

落下時の事故を防ぐ

まさか今日、自分が…という事故です。外岩ではよくある事故です。
マットがギュウギュウに敷き詰められたクライミングジムでも以下項目を注意せず、事故になることがあります。

以下ボルダリングで特に注意したいポイントです。

着地の姿勢をイメージし、常に足から落ちること

マットの上と言えど、足から落ちて衝撃吸収するのと、腰から落ちるのでは衝撃は全く違います。
今落ちたらどうなるか?ということをイメージしてムーブを選択してください。
※ホールドに入りすぎたヒールキックや、体が水平になっている状態、足が肩より高い位置にある、などは特に危険な体勢です。

少しでもクライムダウンする

ボルダリングでは、たとえ一段でも降りたほうが良いです。(落下スピード、衝撃が全然違います。)
トップから綺麗に落下できたとしても、膝腰へのダメージが大きすぎます。

マットの継ぎ目、硬さに注意する

外岩のマットでもジムのマットにも継ぎ目があります。
そこに足が挟まると、足首が固定された状態で、全体体重が足首にかかります。靭帯損傷などに繋がり、長期間のレストとなります。
ある程度クライミングが出来るようになると、落ち方によって落下位置も予測出来るようになるので、よく考えてトライすることが重要です。
マットは種類によって硬さが違うので、よく確かめてから登ることが重要です。
ジムでよく人が落ちる場所と歩く場所は、マットがヘタっているので落下時に捻挫など起こしやすいので、注意が必要です。

接触事故に注意する

上級者と初心者が隣あっていると起きやすい事故です。
上級者は課題トライ中は周りが見えませんし、初心者はルールが分からず、隣接している相手がいてもルートに取り付きます。
相手と自分の落下位置がイメージできませんので、この組み合わせは注意が必要です。

子供がいる時は要注意

特にクライミングジムは、近くに誰もいないからと言っても油断大敵です。
上部で核心にトライする中、真下に子供がいる…なんてこともあり得るのです。
子供は突然やってきて、気づかない間に下にいることがあります。
ジムに子供がいる時は、誰かに見ててもらうと事故は起きません。

ウォーミングアップで体を温める

低グレードの課題を1~2本登っていきなり限界グレードに挑戦!なんてクライマーも多いと思います。
時間がない場合やセッションの誘いでそうなることもあると思いますが要注意です。

全くウォーミングアップなしのクライミングは怪我と隣り合わせでクライミングを続けるようなものです。
数週間で治るような怪我ならいいものの、一年以上の休養を要される怪我もあります。

腱や筋肉をほぐし柔軟すれば、クライミング能力も向上するので、一石二鳥です。
クライミングジムでよく観察すると、経験が長い老年クライマーほどウォームアップをしています
少し意識するだけでも、自然と少しはウォーミングアップができるようになっていきます。

外岩はジムに比べてはるかに危険になる

同じ課題を何度もトライしすぎない

課題のトライ中は気付かなくても、時すでに遅しの状態になっていることもあります
同じ場所で落ちる課題を同じムーブで何度も繰り返していると、使用部位が必ずダメージを受けます
ムーブによる解決ではなく、フィジカルによる解決になっている場合は特に注意が必要です。

一人で課題チャレンジしていると起きやすく、大人数のセッションだと順番待ちという強制レストできるので、トライ回数は控えめでいいのかもしれません。
トライの度が過ぎると深刻な怪我に発展しますので、トライ回数より質を重視して課題チャレンジしたほうがよいでしょう。
多くの長期休養が必要になる深刻な怪我は、このケースで引き起ります。

違和感に敏感になる

どんなスポーツでも自分の体に敏感になったほうが利点が多いです。
体の部位、例えば指、肘、膝、腰など少しでも違和感を感じた場合、トライはストップするべきです。

クライマーのほとんどの怪我は、強負荷がかかる反復によるもの

クールダウンとアイシングで次に備える

クールダウンは、疲労回復させる重要なパート

クールダウンは、血行促進により乳酸を拡散させ疲労回復させます。
極度にパンプした場合も、クールダウンにより乳酸を拡散できます。
特に強度が高いトレーニングの後は、体がしんどいですが、優しいトラバースや低グレード課題でクールダウンすると疲労回復が促進します。

アイシングは、炎症防止

クライミングで使う筋肉でも腕から指先までは、背中などの大きな筋肉に比べ、ダメージを受けやすい部位です。
自覚症状(違和感)が無かったとしても、細胞レベルでは腱、靭帯、筋肉が破損しており、軽い炎症を起こしています。

アイシングは、炎症を抑える効果があり、上級者に限らず初心者でも行ったほうが良いです。
アイシングは、氷水に手を無理のない程度に浸し、冷たさが引いたら再度浸しこれを10~20分続けます。

強度が高いトレーニングをした日は、アイシングを忘れずに。

サプリメントによるコンディショニング

スポーツは栄養補給と休息が重要

クライミングのコンディショニングの基本は、クライミングをし、よく食べて、よく寝て休むことです。
これが守れれば、怪我は少なくなり、万全の体制でクライミングに取り組むことができます。 当たり前のことなのですが、守りたいのに出来ないのがクライマー。
痩せたほうが登れるという強迫観念から、食べない。
夜中までクライミングがオープンなので、寝る時間が遅い。
出来ることなら毎日登りたい。
と、怪我を促進させる要素で満たされてしまっているのです。

体に負担をかけず、いつでも栄養補給ができる優れもの

サプリメントが優れているのは、携帯性があり、すぐ栄養が吸収できることです。
夜遅くにクライミングが終わり、すぐ食事ができる人は少ないでしょうし、食事ができたとしても夜遅くに胃腸で消化分解となると体に負担がかかるのです。
サプリメントなら必要なときに必要な栄養がすぐ吸収できるのです。

多くのクライマーは、クライミングに多くの時間を費やせても、それに似あった栄養補給と疲労回復が追い付かないのが現状です。

サプリメントで上達が促されるなら安いもの

筋肉破損の回復はBCAAがお勧め

クライマーの多くが食べてる白い粉…これこそBCAAです。
BCAAは、バリン、ロイシン、イソロイシンなどからなり、分岐鎖(ぶんきさ)アミノ酸と言われています。
簡単に言うとタンパク質を分解したものです。

物理負荷により破壊された筋肉を回復させるのに欠かせないサプリメントで、多くのクライマーがよく食べています(?)。

BCAAは筋タンパク質の分解を防ぐ

クライミング時の運動エネルギーは、ブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸などを元に作られています
これらが不足すると、筋タンパク質を分解しエネルギーとして利用してしまいます。
筋力増加させる行為が、筋力低下を招いてしまうのです。

運動中や運動後のBCAA摂取は、筋タンパク質の分解を抑制します。

指のコンディションは、コラーゲン、コンドロイチン、グルコサミンがお勧め

クライミングで一番多い怪我の部位は指です。
強い部位でもないのに、常に強烈な負荷がかかるわけですから当然なのですが。
特に連日クライミングしているクライマーは、指の関節や靭帯、腱が酷使されているので、要注意です。

痛い痛いと言いながらテーピングしてだましながら登っても中々治らないのです。
指の関節など傷む場合は、テーピングに加え、コラーゲン、コンドロイチン、グルコサミンが摂取できるサプリメントで少しでも回復を早めるのがベストです。

クライミング コンディショニングのまとめ

クライミングは、指導者がいない状態で取り組んでいる人がほとんどです。
そのため、コンディション維持を意識しているクライマーは少ないのが現状で、それが原因で多くの怪我が起きています。

クライミングは、長期レストすることなく継続することでグレードアップできるので、怪我しない努力は結局グレードアップにつながるのです。
私の周りにも怪我が原因でクライミングを長期間断念する人や継続できない人もいました。
今までより少しでもコンディションについて考えるとクライミングが継続でき、楽しいクライミングライフがおくれるでしょう。

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