ムーブの熟練度

2020年3月2日 12:35 am

Category:クライミング/ムーブ /  Write:ワルツ /  Tag: /

ムーブの習得は難しい。

今日ジムで登っていると最近よく来てメキメキ上達している子がいました。
上半身の筋肉など目に見える部分は発達しているのですが、細かいムーブは難しいみたいです。
セッションなどで同じムーブになっても、できる人とできない人はどこが違うのでしょうか?

ムーブに対する認識はどこまであるか?

ムーブと言っても、ムーブに対する認識は人それぞれ。
本当に上手い人は、かなり細かいところまでムーブと認識しているのでしょう。

  1. 初心者
    雑誌などで書いているムーブの選択(キョンやクロスムーブなど)と足の置き場所がムーブだと思っている。見た目が同じムーブで、自分ができないのは筋力不足だと考える。
  2. 中級者
    ムーブの型だけでなく壁と体の距離、体の向き、腰などの位置など意識し、ホールドに対して最適な体勢を取ることができる。
  3. 上級者
    経験したムーブの中から一瞬で最適なムーブを常に選択し、指にかかる負担を最小限に抑えることができる。ホールドの持ち方、体勢、重心の最適化。体全てを細かく意識しコントロールすることができる。

上級者のクライマーは常に最適なムーブを模索しています。
また膨大なムーブ経験から最適な形をモデリングします。

最適なムーブはどうやって見つける?

課題を登っても良いムーブなのかそうでないのかは、さっぱりです。これは初心者に限ったことではなく、パワーでねじ伏せたのか、最適なムーブでクリアしたのか判断することは難しいと思います。
ムーブの良し悪しは、一度クリアした課題を落ちやすい環境に変えて登り直すと分かりやすくなります。

例えば指の数を減らして登ってみる。

小指抜きの指4本で登ってみるなど環境を悪くすると、ムーブを改善しなければ絶対登れない状況になります。
普通に登っていた時のムーブでは登れなくなるので、ムーブの改善向上につながります。

ムーブとゲシュタルトの法則

ゲシュタルトの法則とは、空白の部分があってもその他の情報から空白部分を補完できることです。
上級クライマーはたとえ登ったことがない壁でも、膨大なムーブ経験から最適に近いムーブをモデリングできます。

ムーブの引き出しがないと、オンサイトは弱く、レッドポイントは長引く

どれだけフィジカルがあっても、ムーブの引き出しが少ないとオンサイトグレードは上がりません。
特にマルチピッチなどでは時間も限りがありトライ数も限られるので、どんなルートにもすぐ対応できるようにムーブの引き出しを増やすことが重要です。

オンサイトは、膨大なクライミング経験が必要。

ムーブを極めるとどうなる?

クライミングでいうムーブとは、最小限の出力でゴールに近づく行為です。
フィジカルが最小限ですから、フィジカルが無くても登れるわけではありません。
特に高難易度の課題は、ムーブでフィジカル出力を抑えても、限界があります。
課題の難易度に合わせて、ムーブと主にやはりフィジカルも必要になってきます。

まとめ

ムーブについては、数をこなして体にしみこませるしかありません。壁の種類も好き嫌いで選ばず、満遍なくこなしたほうが経験値が上がります。

これは、外岩に行けばよく分かりますが、外岩は、あらゆる形状が複合的に混ざっています。
そのワンムーブでもできなければ、完登できないので、バランスのよいクライマーのほうが、有利なのは言うまでもありません。

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