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外岩に行きたいけど、指皮が全然無い…指皮問題
外岩シーズンになると、外岩が楽しくて課題を打つのはいいのだけれども、指皮が無くなってその日は終了…とクライマーの一日は大体こんなものです。
外岩のホールドはクライミングジムのとは違い、粗い結晶群や鋭く尖ったエッジなど指皮に悪いものが多いので、どうしても指皮のケアが必要になってきます。
自然治癒でも治るけど、どうせならもっと早く回復させよう
指腹から出血したら、テーピングしてほっておく…
これでは、細菌が入って回復が遅くなりますし、指皮が万全でなければ、登れる課題も登れないかもしれません。
クライミングをしていない時は、指皮回復のために全力を注ぎましょう。

そもそも皮膚の再生時間ってどれぐらいかかるの?
外岩で指の腹から出血すると表皮の奥、血管が通っている真皮まで傷ついています。
真皮の上部にある基底細胞は、頻繁に細胞分裂し、約14日かけて角層まで細胞を押し上げます。
角層に届いた時には、細胞は核を失い死んだ状態になり、皮は硬化します。
さらに14日かけて角質の最上部まで到達し、最後は垢となって剥がれ落ちるのです。

人間の指皮は1mmしかない…
表皮は、死んだ細胞が15~20層程度重なったものですが、1㎜程度しかありません。(真皮は約0.75mm)
1mmという薄さでは、花崗岩など大きな結晶との摩擦ですぐ傷ついてしまうのも納得です。
個人差はありますが、こればかりは鍛えようがありません。
なぜ指皮が硬くなるのか?
外岩に行っているクライマーの指を触ってみるとわかりますが、表皮はとても硬いです。
基底細胞から角質まで上がってきた細胞(皮)は、核を失っており硬質化します。
角質の核を失った細胞をセラミドで埋め合わせて柔らかさを出しますが、クライミングのように指先に強い摩擦(まさつ)が加わると、角質層は弾力性を失い、ひび割れてしまいます。
指の皮が硬質化していると皮が割れやすいので、ハンドクリームなどで保湿することで皮裂を軽減できます。

指皮がボロボロになってきたらどうする?
指皮が少なくなり、表面が赤くなってきたらテーピングを巻き、それ以上傷つかないようにしたほうが賢明です。
出血すると細菌が入り、皮再生が通常より遅くなりますし、もうその日はまともに登れません…
トライ課題で、明らかに指皮が減りそうなものでしたら、出血していなくてもテーピングするのもお勧めです。
テーピングすると、登りにくくなりますが、もう登れないよりましです。(どうするかは個々のクライミングスタイルによります。)
クライミング専用のテーピング「evolv マジックテープ」
クライミング専用のテーピングはほとんどありませんが、イボルブが販売しているマジックテープがお勧めです。
通常のテーピングとは違い、テープが皮膚には付かず、テープ同士が強力にくっつくメッシュ状レイテックス製テープです。
怪我痕や皮膚が弱い人に最適で、通気性に優れフリクションも良いのが特徴です。
通常のテーピングでしたら、1~1.5mm程度の非伸縮性のテーピングがお勧めです。
とても薄い指皮だからこそ、大切に
どれだけ気を使っても外岩へ行けば、例外なく指皮はボロボロになります。
何もしなくても自然治癒しますが、指皮のケアをすることでより早く指皮が回復します。
外皮用殺菌消毒薬 メモA
クライミング専用の薬ではありませんが、多くのクライマーが使っている医薬品です。(エスエス製薬)
非ステロイド系の軟膏で、指に薄く延ばして塗るだけです。
1~2日塗るだけで綺麗に指皮が再生促進しているように感じます。再生に時間がかかる皮割れもメモAを塗り込むことで綺麗に塞がります。
柔らかめの固形クリームで、若干べたつきますが、寝る前に塗ればさほど気になりません。

指皮の回復力は、お勧めできますが、医薬品です。
メモAは、その他の指皮ケアアイテムに比べて体感的に回復が早いです。
花崗岩などで指皮を酷使する岩場に通うクライマーにはお勧めできるクリームです。
しかし、メモAは第二類医薬品ですので常用するのではなく、特に皮の損傷が酷い場合に使い、その後はオーガニック系のクリームに切り替えたほうがよさそうです。
私自身、メモAを使った翌日~翌々日からはオーガニック材料のクライムオンバーに切り替えています。
クライマーの指皮のために開発されたClimb on bar(クライム オン バー)
クライム オン バーはクライマーのために研究開発されたクリームで、石油系原料の防腐剤や保存料、香料などを一切使わずに100%生物分解可能な自然素材を使用したスキンケアクリームです。
原材料は精製されていない蜜蝋やハーブ、有機シアバターなどで、普段酷使しているクライマーの指皮の再生を促し、傷口の雑菌の繁殖を抑えてくれるため、体内の免疫再生能力を最大限に引き出してくれます。
硬めの固形クリームで塗った後は、通常の安物ハンドクリームとは違い、保湿感が持続し、指皮の硬質化も緩和します。
オーガニック100%でコストパフォーマンスに優れた良品
アメリカ・テキサス生まれのクライムオンが製造販売するクライム オン バーは100%オーガニック素材なので、常用しても安心です。
主成分は、ミツロウ、各種ハーブエッセンスやシアバター、精油が主で高級ナチュラル化粧品として販売されていても不思議ではありません。
コストパフォーマンスも良く、大サイズでワンシーズンぐらいなら十分持ちます。
自然治癒力を高めるイボルブ社のNO NEED PAIN
NO NEED PAINは、evolvJAPANのエボリューションとHoliscare が、クライマーのために数年かけて共同開発したクリームです。
ラベンダーやローズマリーやセージなどハーブの香り(ハーバル)といったフラワーエッセンスとレメディーを使ったホメオパシーが特徴です。
ホメオパシーってなに?
ホメオパシとは、自然治癒力(バイタルフォース)を高め、健康を取り戻す自然療法です。
自然治癒力(バイタルフォース)とは、本来の健康な自然体に戻ろうとするチカラのことで、NO NEED PAINはこのホメオパシーを利用してバイタルフォースのスイッチを押し、自分で治す力を体に気づかせることで、 バランスを取り戻す助けをします。
フラワーエッセンスとレメディー
フラワーエッセンスの先駆であるバッチフラワーレメディは、1930年代に英国の医師エドワード・ バッチ博士によって開発された、心や感情のバランスを取り戻すための花療法です。
NO NEED PAINは皮膚の荒れをケアするだけでなく、クライミングやスポーツなどによる傷、筋肉、腱、骨の疲労や痛み試合前の緊張など精神的なことまで癒します。
天然100%で肌へのやさしさと癒しの効果の両方にこだわり、ハーバル&ホメオパシック=癒しのスキンケア、自然治癒力を追求したクリームです。

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元登山用品店の好日山荘。5歳で北アルプス表銀座に連れていかれた山好きの親の元で育った。
山とクライミングが好きすぎて、家にプライベートウォールがある。
現職はWEBデザイナーでJAPAN MENSA会員。