外岩クライマーのためのブラシの選び方

2020年3月19日 12:47 am

Category:クライミング/クライミングの知識 /  Write:ワルツ /  Tag: / / /

ブラッシングで激変するフリクション

普段ならこんなホールドは持てるのに、全く持てない…たまに出くわす、ぬめりホールド。
最後の核心ホールドがぬめって墜落…外岩では危ないですし、勿体ないです。
ジムなら備え付けの便利なブラシが沢山常設されていますが、外岩ではそうはいかないのです。

外岩クライマーならブラシは必須アイテム

クライミングジムとは違い、外岩では登った後に岩を磨くのはマナーです。(所有者は別にいますし、そもそも岩は自然の一部です)
フリクションを得るため以前に、チョークを落とすことは必須ですので、外岩クライマーになったら必ずブラシは携帯しましょう。

みんな色んなブラシを持って岩へ向うのです

外岩で困ったブラシ事情

クライミングジムとは違い、片道何時間もかけて行く岩場もあります。
せっかくの岩場でのブラッシングで完登出来るかできないか、決まってしまっては勿体ないのです。

1:ブラシが細かな隙間に入らない

外岩では、指がやっと入るぐらいのシンクラックなど、小さなヘッドブラシがないと全く磨けないホールドが沢山あります。
大体こういうホールドは滑ると全く駄目なのです。

奥の隙間は歯科用ブラシが活躍

長年、人の歯を完璧に磨けるように(しかも優しく)研究されてきた歯間ブラシ。
実は、このような磨きにくい場所には最適だったりします。 指しか入らないようなクラック状のホールドは、奥歯を磨くパターンと似てるのかもしれません。

ジムと違って指しか入らないホールドも沢山ある

2:ホールドが高すぎてブラシが届かない

通常のブラシでは届かない上部に、核心ホールドなどがあると磨くのに大変苦労します。
ハイボルに挑戦するとき、特に核心が上部にある場合は必需品となります。

3:毛と柄が柔らかすぎて磨きにくい

磨いても、ブラシが負けて磨いてる感が全くない
岩には優しすぎますが、クライマーには若干厳しいブラシです。
※ワイヤーブラシは開拓時に使用することもありますが、通常厳禁です。(岩が削れるため)

ハイボルは、手のひらサイズのブラシだとブラッシングが難しい…

4:ヘッドが小さすぎて広範囲を磨けないブラシ

スローパーや大きい面を磨きたい場合、小さなブラシでは時間もかかり非効率です。
ハンドブラシがあれば、磨く時間が短縮されますし、靴の砂を払うこともできるので便利なのです。

そもそもブラシで擦ったらどうなるの?

滑りの原因は一体何なのか?

チョークの選び方でも書きましたが、人間の指先は、多くの汗腺があり、とんでもない汗が出ています。
当然、皮脂も混じっているため、ホールドに汚れを付着させてしまいます

不純物が多く、細かな凹凸が消えている。 汚れが多く、フリクションがなく滑る
ブラッシングにより、凹凸が現れ汚れが無くなりフリクションが向上

磨けば、多孔質のチョークが皮脂を絡めとり、チョークを掃き出す

ブラッシングの対象となるホールドは、大体がチョークと汚れだらけです。
ブラッシングすることで、多孔質のチョークが汚れを絡み取ってくれます
またチョークがのりすぎて、ホールドの表面の細かな凹凸が無くなっている場合もチョークをかきだしてくれます。

結局、どんなブラシがいいのか?

外岩、ジムでブラッシングが大事なのはわかりました。 一体どんな視点でクライミングのブラシを選べばいいのでしょうか?

ヘッドは、大きすぎないほうが困らない

大きいブラシも大事ですが、小さいブラシでないと磨けないホールドがあるのは事実です。
大きいホールドは、小さいブラシでも磨けるので、コンパクトにまとめたいなら小さいヘッドのブラシを持つべきです。

2~3本持つと、ほとんど困らない

現場で困りたくない人は、様々なブラシを持っていくといいでしょう
数本持ったとしてもさほど荷物にはなりません。
1本しか持たないなら、コンパクトかレギュラータイプがお勧めです。

ブラシの形状と特性

課題によって変えるブラシの形状

岩の表面は色んな形をしていますので、従来のストレート型では、磨き残しが出てしまいます。
ブラシの形状は多種多様ありますので、全ての種類を持っていてもいいぐらいです。
取り組んでいる課題に適したブラシを持っていれば困りません。

  1. タフト / タフエンド型:花崗岩など岩の表面の高さが揃わない所に有効。
  2. コンケーブ / ローリング型:毛先の高い所を使い、細かな隙間などを掃除することが可能。
  3. コンベックス / ストレート型:岩の表面の高さが揃った大きなスローパや面などで有効。

毛質は硬めのほうが楽

毛質については、柔らかいよりは少し硬いほうが役に立ちます
豚毛、馬毛などの天然毛質は耐久性もありお勧めです。
ナイロンは、毛が広がりやすいなどデメリットもありますが、毛細仕様などナイロンでないとできない加工もあるので、色々試してみるといいでしょう。

毛の密度は多いほど良い

毛の密度が高いと、楽にブラッシングできます。
一回のストロークで毛が沢山ホールドに接するので、チョークと汚れを掃き出す力が全然違います。

スロベニアのホールドメーカーが作る「ラピスブラシ」がお勧め

どんな状況のホールドでも、最高のフリクションに

ラピスブラシは、ホールドクリーニング専用ブラシで、天然の猪毛がしつこいチョーク跡を根こそぎ除去します。
邪魔にならない大きさでボルダーはもちろん、リードクライミングでも携帯できます。(先端に紐穴もついてます) 
柄は木材とプラスチック製があり、木材はしっかり磨けますし、プラスチックは適度にしなります。

一本しか持っていかないなら、ラピスブラシがお勧めです。

歯科用のブラシはどうなのか?

多種多様な形があって、特に細かいホールドには最適

いわゆる歯磨き用のブラシはどうなのでしょうか?
ブラシの目的は、岩の表面にある不純物の除去ですので、それが達成できれば、道具はなんだっていいのです。(岩を傷つけないのが前提)
使い終わったものでもいいですが、使いやすそうな歯ブラシがあったら、積極的に使っていいでしょう。
歯科用ブラシは、どうしても磨けない隙間などで役に立ちます

色んな種類がありますので、色々と試す楽しさがあります。
極細毛歯ブラシは、岩の微細箇所に入るので、特にお勧めです。

撤収時は、ハンドブラシが効率的でお勧め

小型ヘッドのブラシでは、掃除に時間がかかりすぎる

外岩はジムと違い、トライする課題を変えると時間がかかります
荷物をまとめる、マットをたたむ、岩を掃除する…一回の移動ごとに付いてまわります。
小型ヘッドのブラシ以外に、大きめのハンドブラシがあれば、掃除の時間が大幅に短縮されます。

塵も積もれば山となる、これだけでトライする時間も増えるので、外岩ではお勧めです。
またハンドブラシは、靴のソールについた砂やチョークで汚れたマット掃除もできるのです。

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