外岩のスポッターってどうしてる?

2020年7月25日 1:25 am

Category:クライミング/クライミングの知識/外岩 /  Write:ワルツ /  Tag: / / /

そもそもボルダリングのスポッターって何をするの?

外岩クライマーなら誰でもやったことはある、スポッター。
実際外岩歴の長いクライマーがスポットしてくれると、妙に安心感があります。

登攀中のクライマーが怪我しないようにサポートする人

スポッターというからには、落ちてきたクライマーを全力で受け止める…
なんて思ってやっていると、スポッター、クライマー共に確実に怪我します…

フォールしてくるクライマーは、凄いエネルギーで落下してきます。
スポッターは、フォールしたクライマーを受け止めるのではなく、安全にマットに着地させるのが仕事です。

スポッターの仕事

スポッターの役目は、フォールしたクライマーを安全にマットに着地させること。
実際やってみるとわかりますが、フォールしてマットに落ちるまで一瞬です。
フォールする前にいかに準備するかが重要です。

オブザベしてルートを共有する

クライマーが登る課題のルートラインや核心部分を聞いて共有しておきます。
前もってルートラインを聞いておくことで、スポットに適した場所がわかります。

危険個所の確認をしておく

岩が露出している部分や岩の鋭角など特に危険です。
特にフォールしやすい核心部分周辺は、意識したほうがよいです。

マットをクライマーに合わせて移動する

クライミングジムと違い、マットの数が限られていますので、マットの移動・調整が必須になります。

完登するまで、クライマーに追従する

スタートからトップアウトまで、直登なんて課題は、なかなかありません。
右、左とクライマーは動きますので、動きに合わせてスポットも動きます。

立ち位置は、クライマーから1~2歩下がって準備する

クライマーに近すぎると、落下時スポットに激突してしまいます。
クライマーがフォールしてから手を上げてては間に合いませんので、手は先に上げて、肘・膝は曲げておき衝撃を緩和します。

危険なスポッターがやっていること

外岩で見ていると、危なっかしいスポッターがいるのも事実で、怖くて見てられません…

  • すごく遠くで手だけあげている…
  • クライマーの真下にいる…
  • 上(クライマー)しか見てない…
  • マットを動かさない…
  • 逃げ場のないところでスポットしている…

落ちてきてからはたいして何もできない…

衝撃の事実ですが、落ちてきてから超反応なんてできません…
スポッターが優先してすることは、落ちてくる前に安全な下地を準備をしてあげることです。

クライマーがフォールしたときに、マットがあれば大体問題ないことが多いです。
マットでカバーできない岩壁への激突などは、スポッターが入ってマットへ跳ね返すなどが必要です。
(岩壁はサブマットを上手く使って、衝撃緩和させるなど工夫も必要です。)

上の動画は、フォール後マット外に落ちそうになったのを何とか止めているけど、スポッターが激突している…危険です。
最初からマットをもう一枚用意しておけば、問題なかったのだが…スポッターもマットも準備が大事。

救える事故が沢山ある

外岩にいっているとどうしても事故に出くわすこともあります。
よく考察してみると、スポッター次第で起こらない事故もやはりあります。
一緒に行っているクライマーが安全に登れるように、スポットも本気で取り組みたいものです。

クライミング経験がある人は、落ちる場所が分かる

クライミング経験で差がつくのもスポットです。
クライミング経験豊富なクライマーは、次のムーブで失敗したときにどこに落ちるか大体わかってしまいます。

  • ガバを掴んで、振られて大フォール…
  • ヒールが抜けて、腰から激痛フォール…
  • クロスムーブの後、進行方向へフォール…

など、経験しないとわからないことも多いです。

最低限、クライマーをマットへ誘導

結論を言うとこれに尽きます。
落ちる前に準備しておくのが、一番優秀。
落ちた後に誘導できれば、これもマシなほう。

一番最悪なのは、マット外にフォールしてしまうことです。
これは、スポッターの対応で防げるケースが多いのです。

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