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ポイントを押さえると選びやすいロープ
初めてロープを買うとき、何も知らずにお店に行くと、ロープが沢山あってどれを選べばいいのかさっぱり…となってしまいます。
シングル、ダブル、ツインといったロープの種類さえ決まっていれば、あとはポイントごとに考えれば、ある程度は絞れてきます。
ロープの種類については、知識がない方は「クライミングロープの種類」を参考にしてください。
長さで選ぶ
店に置いているロープの長さは、ほぼ60mか50mの2択です。
海外の岩場ならもっと長い70mロープでもいいですが、日本の岩場(ゲレンデ)は、60mか50mで十分対応できます。
色んな岩場に行く人は、60mをお勧めします。
どうしても50mでは足りないルートもありますし、ぎりぎりの長さでルートトライするのは精神衛生上きついです。
シングルピッチのルートで60mロープがいるケースはそれほど多くはありませんので、室内ジム+たまに外岩でリードクライミングなら50mロープ、室内ジムのみでしたら30~40mロープで十分です。
長いロープの短所
ロープは長くなるほど重くなるので、外岩に行く人はアプローチがきつくなります。
太さによりますが、10㎜なら60g/mぐらいは重くなります。
またロープを手繰る回数が増えるので、マルチピッチなどでは、余計なロープワークが発生し、時間ロスにつながります。
太さ(径)で選ぶ
ロープの径は、シングルとダブルで大きくことなりますが、2015年の時点で、シングルロープなら9㎜後半、ダブルロープなら8㎜前半が主流です。
一昔前なら、シングルで10mm以上は当たり前でしたが、2015年の時点では、10mm以上のロープは太いロープとして認識されています。
ロープ径の違いによる影響
太いロープの特徴
- 重いのでロープが流れにくく、クリップしにくい
- 強度が高い
- 伸びやすい
- 衝撃吸収が高い傾向がある
- 墜落したクライマーをビレイで止めやすい
トップロープメインでする方、ビレイヤーとの体重差が大きい方、プロテクションが貧弱なルートでクライミングする方などに向いています。
細いロープの特徴
- 軽いのでロープが流れやすく、クリップしやすい
- 強度が低い
- 伸びにくい
- 衝撃吸収が低い傾向がある
- 墜落したクライマーをビレイで止めにくい
限界グレードぎりぎりのルートを登る方、熟練ビレイヤーがパートナーで体重差があまりない方、強固なプロテクションが設置している岩場でクライミングする方などに向いています。
カタログデータで選ぶ
耐墜落回数(UIAAフォールズ)
ロープの強度と耐久性を示す数値で、高いほど良い。
シングルロープとダブルロープで試験内容が異なるので、同じロープの種別で数値比較すること。
衝撃荷重(インパクトフォール)
墜落した時に体が受ける衝撃を数値化したもの。
数値が小さいほど、衝撃吸収に優れている。
衝撃荷重の数値が小さいものは、理論的には伸びるロープである。
伸び率(エロンゲーション)
衝撃荷重と静荷重とは別々に表記される。
伸び率が高いロープは衝撃吸収には優れるが、トップロープやユマーリング、Fixロープを使ったソロクライミングなどする場合、扱いにくい。
ダイナミックロープに比べて、伸び率が低いスタティックロープは通常フリークライミングで使われることはありません。
セミスタティックロープ 11mm50 m テンドン ホワイトEN1891 【 ロープアクセス・IRATA基準・高所作業用】
外皮率
名前の通り、外皮の割合を示す数値で、高いほど耐久力がある。
トップロープやFixロープでの利用が多い場合は、高い数値のものを選ぶとよい。
その他の要素で選ぶ
上記説明以外では、ロープのコーティングやしなやかさ、その他の特徴が選ぶポイントになります。
外岩メインで使うならコーティングロープが絶対お勧め
室内ジムではそれほど感じないが、外岩でノンコーティングのロープを使うと、表皮が毛羽立ってボロボロになります。
それに外岩は、室内と違ってコンディションが悪い場合もあり、ロープが濡れることもあります。
コーティングしたロープだと、撥水効果もあり、またロープ自体の強度も上がるので安心です。
若干値段は上がりますが、コストパフォーマンスを考えると、それほど高いとも思えません。

その他の特徴について
ロープは各社それぞれ知恵を絞って様々な特徴を持たせたものがあります。
例えば、べアールのロープは、外被と芯を接着するユニコア製法で作られ、表皮が擦り切れてしまっても中のコアがむき出しにならず、表皮とコアのズレが起きにくい仕組みです。
マムートのセンサーは、ロープの端と中央にデコボコした感触を感じるように加工しており、ビレイヤーがビレイしながら、手の感触で、ロープの位置が把握できるようになっていま

自分のスタイルをしっかり把握して選定
ここまでの説明でロープの選定が大体できると思います。
あとは、自分のスタイルを紙に書き出して、各社HPでロープを選んでみよう。
スタイルの例
- 本気トライはほとんどしない
- パートナーが女性で体重差が大きい
- 岩の尖角などが怖い
- 60mのロングルートにトライしたい
- トップロープが多い
- しっかり整備された岩場で登りたい
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元登山用品店の好日山荘。5歳で北アルプス表銀座に連れていかれた山好きの親の元で育った。
山とクライミングが好きすぎて、家にプライベートウォールがある。
現職はWEBデザイナーでJAPAN MENSA会員。