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目的を達成するためのウェアであるべき
クライミングに限らず、スポーツウェアはそのスポーツにおいて最高スコアが出せるようなものが展開されています。
ウェアと言うと格好が良い悪いという視点で考えてしまいがちですが、機能性を考慮することで、良い結果がでるかもしれません。
ウェアの心理的観点と機能的観点
ウェアには、「色」による心理的作用と「素材や形状」による機能的作用があります。ここでは、素材や形状(機能的作用)について話をすすめます。
クライミングフィールドによってバラバラのウェア感覚
クライミングと言ってもスタイルは様々で、そのスタイル別で最適なウェアは変わってきます。
ボルダリングからマルチピッチ、アルパインクライミングまで着てるウェアはバラバラなのです。
ちなみに登攀時間が長くなるクライミングほど、ウェアには金額を投資したほうがよいです。(命に係わってきますので)
ボルダリングのウェア
ボルダリングのウェアで重要になるのは、軽さとムーブの動きを阻害しないことです。
このことを考えると、上半身は裸体が案外一番良いのかもしれません。
※寒さによる筋肉硬直と擦り傷などは考えないとすれば
ただし冬季は、寒すぎると筋肉が硬直するので、薄い素材でも保温性が高いウェアや、発熱素材(ブレスサーモ)がお勧めです。
以下のような服装選びがベストです。
- ボトムの裾は短め、または裾が縛れる(ヒールのゴムが隠れないように)
- 素材が柔らかいもの(ムーブがスムーズに)
- 軽い素材(ボルダリングに重さは必要なし)
- 冬季は薄くて保温性が高い素材(冬季)
- 事故防止のためシンプルな形状(紐やジッパー、フードはなし)
以上から素材は化繊のほうが良く、研ぎ澄まされていくほど、見た目にこだわらないほうが良くなってきます。
昔は、上半身裸に下半身はスパッツでしたが、理にかなったスタイルだったのかもしれません。
ボルダリングウェアの実際
ボルダリングのクライマー(ボルダラー?)は、全ジャンルの中で一番ウェアの統一感がありません。
普段着に近い状態や半袖半パン、部屋着のようなラフな格好、時に裸体など。
ウェアによって命が危険にさらされないので、こだわる優先度が低いのが現状です。
リードクライミングのウェア
リードクライミング(スポート、トラディショナル)で重要になるのもボルダリング同様に動きを阻害しない服装です。
ボルダリングと比べると、ムーブやレストによっては、肌の保護が重要になるケースが多くなります。
リードクライミングはボルダリングに比べて、想定外のことが起きやすく、虫の襲撃や蛇との遭遇など野生の危険が高まります。
裸体で登っているクライマーはボルダリングに比べ少なく、肌の露出は抑え気味にしたほうがよいでしょう。(特にスラブ)
壁に取り付く時間もボルダリングに比べ長く、10分以上地上に降りないことも多くあります。
薄手で速乾性や保温性(冬期)が高いウェアなど選択するべきです。
だらしない格好をしない
リードクライミングは、ボルダリングと違ってロープや確保機など身の回りのギアが増えます。
ゴムで括っていない髪の毛やダボダボの服装は、ギアと絡まるなど予想外の事故を誘発しますのでシンプルで、見た目もスッキリした身なりにしたほうが良いです。
リードクライミングウェアの実際
リードクライミングに取り組んでいるクライマーは、ボルダラーに比べウェアに投資しています。
登山用品店で販売している高機能ウェアを身に着けているクライマーがボルダリングに比べ多くなります。(速乾性、保温性、伸縮性に優れた衣類)
ボルダリングに比べ、クライマーの年齢層が高いことと、登山もしているクライマーが多いため、そのような現状になっていると思います。
マルチピッチのウェア
マルチピッチは取り付き時間が長く、それに必要なウェアは一般登山の要素を含んできます。
雨に備えたゴアテックスなどの防水・防風ウェアは必須と言えます。
風による体温低下を防ぐため、肌の露出は極力控えるべきです。
気温は、標高100メートルにつき0.6度下がるので、防寒対策も重視すべきです。
登攀時は発汗しますが、その後のビレイで急速に体が冷えるため、汗冷えを防ぐ必要が出てきます。
ファイントラックのドライレイヤーは、汗冷え対策になりますのでオススメです。
綿素材のウェアは厳禁
マルチピッチは、クライミングフィールドが完全に山になるので、一般登山ウェア同等のウェア意識が必要です。
特に、綿素材のウェアはリードクライミングまでとして、マルチピッチでは絶対選択するべきではありません。
汗により衣類が濡れることによっておきる体温低下は想像以上に体力を奪います。
マルチピッチウェアの実際
マルチピッチでは、登山で使用する高機能なウェアを身にまとっているのが普通です。
肌の表面をドライに保ち、汗を速乾させるレイヤリングを基本とした体力を温存するためのウェアです。
アルパインクライミングのウェア
無雪期は、マルチピッチとそれほど変わりませんが、どうしてもクライミングフィールドが高所になってきますので、保温性のあるウェアも必要になります。
高山の登山同様に、機能的な視点でウェアをレイヤリングする必要があります。
またビレイ中は体が冷えるので、保温が目的のダウンウェアも必要になります。
まとめ
アプローチも含めると外岩は、登山となりうる場合もありますので、ウェアに気を使っても損はしません。
クライミングウェア以外の一般登山ウェアもクライミングに使えます。
クライミングフィールドが山に近いほど綿素材は避けたほうが懸命です。
高所、冬季になるほどウェアは命に係わるものになります。
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元登山用品店の好日山荘。5歳で北アルプス表銀座に連れていかれた山好きの親の元で育った。
山とクライミングが好きすぎて、家にプライベートウォールがある。
現職はWEBデザイナーでJAPAN MENSA会員。