クライミングの種類について
2020年3月21日 11:37 amCategory:クライミング/クライミングの知識 / Write:ワルツ / Tag:ボルダリング / リードクライミング / アイスクライミング / アルパインクライミング / トラディショナルクライミング
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色んなジャンルが集まってのクライミング
クライミングと言えば、近年人気のボルダリングを指す人が多いかもしれませんが、クライミングは様々は登攀スタイルを含んだ総称です。
クライミングに共通するのは、登るべき対象があり、一般登山と違い、難易度が非常に高いですし、行くところは全て岩(時に氷壁)です。

個人的な感覚では、トラディッショナルクライミング、アイスクライミング、エイドクライミングに取り組んでいる人は、その他スタイルに比べ少ない印象です。
アルパインだけ山の登頂が目的。それ以外はルートの登攀完登が目的。
アルパインクライミングは、その他クライミングと違い、登る対象が山の頂上です。
大まかなルートはありますが、細かなルート取り(このホールドは使ってはいけないなど)に決まりはありません。
アルパインクライミングは、その他クライミングと違い、天候などの影響も大きく受けるので、万全の体調・環境でトライするというより、クライミング自体が泥臭い感じになります。
※しかも脳裏にずっと残る思い出になります。
登山なのかアルパインなのか?
登る対象が山ならば、登山も一緒じゃないか?ということになります。
アルパインの定義は定かではありませんが、登る対象は、登山の一般ルートではありません。
アルパインクライミングは確保が間違いなく必要となるルートを登攀し続けます。

氷壁を登るアイスクライミング
氷壁をアックス、クランポン(アイゼン)、アイスプロテクションを駆使して登攀するスタイルです。
アルパインではよくあることですが、氷壁と岩壁が所々にある場合、ミックスクライミングと言い、岩の面積が多いほど難しくなります。
アイスクライミングは、フリークライミングに比べ、道具の性能が大きく出るクライミングで、道具への飽くなき執着心も必要です。

道具を使って登るエイドクライミング
フリークライミングと対極にあるような登攀スタイルです。
登攀を補助するための道具を駆使してルートを制覇します。
アルパイン、アイス、エイドはフリークライミングではない
フリークライミングの語源は、自由なクライミングではなく、登攀を手助けする道具は使わないという意味があります。
登攀するための道具を使う、アルパイン、アイス、エイドクライミングはフリークライミングとは言わず、クライミングとしてのベクトルは全く別物です。
壮大なスケール感が気持ち良いマルチピッチ
一般的なシングルピッチを複数連結したような壮大なルートを登るフリークライミングのスタイルをマルチピッチと言います。
マルチピッチは、一度取りつくと長時間岩壁に張り付くことになり、時間を意識したクライミングが求められます。
クライミング技術に加え、ギアの習熟、判断能力など様々な要素が必要になるクライミングで、初心者同士で気軽に行えるものではありません。

岩に割れ目があれば、色んな所が登れるトラディッショナルクライミング
トラディッショナルクライミングは、あらかじめボルトが打たれたルートを登るのではなく、岩の弱点(割れ目)に沿って登ることが多いクライミングスタイルです。
アルパインクライミングと違い、登る対象は数十メートルのラインとなります。
スポートクライミングと似ていますが、自分の命を確保する技術が格段に難しく、全くの初心者でこの分野から入るクライマーは現代皆無です。
カムとナッツで登るスタイル
ボルトを使わないとなると、どのようにして自分を確保するのでしょうか?
トラディッショナルクライミングは、岩の割れ目にカミングデバイス(カム)とナッツと呼ばれるプロテクションを使って登ります。
アルパインクライミングでも使われるギアで、ボルトのラインを登るスポートクライミングでも役に立つ場合があります。
ただし、プロテクションの設置方法を間違うと、重大な事故を誘発します。

ハンガーが打たれたルートを登るスポートクライミング
一般的に認識されているクライミングはこのスポートクライミングとなります。
あらかじめ壁に打たれたハンガーボルトにクイックドローを設置して登ります。
スポートクライミングはクライミングジムでも練習・体験することができます。
今流行りのボルダリングからスポートクライミングを始めるクライマーも増えています。
ボルダリングに比べ、登攀技術やギアの知識は必要ですが、比較的取り組みやすいクライミングです。
※取り組みやすいと言っても、知識や経験不足、ヒューマンエラーにより重大な事故になる可能性があります。

国内で豊富にあるスポートクライミングルート
スポートクライミングのルートは国内に豊富に存在します。
室内のクライミングジムと違い、外岩ルートに設置されたハンガーボルトは、整備されている岩場とそうでない岩場がありますので、事前に確認が必要です。
リボルト活動は、以下日本フリークライミング協会(JFA)が主に行っていますので、岩場の最新情報については確認したほうが良いかもしれません。
NPO法人日本フリークライミング協会(JFA)
http://freeclimb.jp/index.htm
クライミングジムでも体験できるスポートクライミング?
実際のクライミングジムで体験できるロープを使ったクライミングは、トップローブクライミングというスタイルです。
上からロープで引っ張られるスタイルで、墜落してもほとんど落下しません。
トップローブクライミングは主にルート攻略のための練習に使われる形式で、トップロープで登ったとしても正式にはルート完登は認められません。

近年人気急上昇のボルダリング
クライミングと言えば、ボルダリングというほどに非常に人気があるクライミングスタイルです。
ロープを使わないことや一人でも取り組めることもあり、人気があります。
その他クライミングスタイルに比べると、ルート距離が極端に短いですが、難易度が濃縮されたルートで、たとえ短くても充実感が得られます。
スポートクライミング同様に、クライミングジムで体験することもできます。(ジムの数はとても多くなっています)
全ジャンルの中で一番シンプルなクライミング
ボルダリングは、登る岩の高さが5メートル程度なので、ロープを使用せずにトライします。
複雑なギアを使うことがなく、クライミングシューズとチョークがあれば始めることができます。

異色のフリーソロ
道具に至ってはボルダリングよりさらにシンプルなのがフリーソロ。
フリーソロは、どんなルートであっても自己の命を守る道具を使用しません。
地上10メートルであろうが100メートルであろうが何もつけずに己の力と技術のみで登攀します。
クライミングの種類としては異色のジャンル(?)です。
アルパインクライミングでは時間や天気の制約で、しかたなく部分的にフリーで登ることはありますが、あえてフリーソロに取り組むのは超上級クライマーのみに許された行為なのかもしれません。
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元登山用品店の好日山荘。5歳で北アルプス表銀座に連れていかれた山好きの親の元で育った。
山とクライミングが好きすぎて、家にプライベートウォールがある。
現職はWEBデザイナーでJAPAN MENSA会員。